インタビュー日:2018年4月

東洋大学 高等教育推進支援室 さま

東洋大学 高等教育推進支援室 さま

本学の授業支援システムにてアンケートを実施し、学生の回答データを従来のマークシート方式と同じように集計できないかご相談しました。

東洋大学 高等教育推進支援室
阿部 佑 さま

導入事例の概要

学内の様々なアンケートに対応

東洋大学様からは全学授業評価アンケートをはじめ、入学時、卒業時、在校生アンケートといった様々なアンケート調査をご依頼いただいております。

中でも、高等教育推進支援室主体で行われる全学授業評価アンケートについては、ボリュームも多く、加えて集計仕様の難易度も非常に高いことから、双方の綿密な協力の下、毎回慎重に作業をさせていただいております。

授業評価アンケートにおける課題とご利用サービス

課題 全学授業評価アンケートについて、他ベンダーのシステムにて収集したデータを集計できるか
ご利用サービス 授業アンケートアウトソーシング処理サービス ※現在では、授業改善アンケートWebシステム『FDマネージャー』がございます。

導入の背景

ご導入の経緯など、東洋大学様にお話しいただきました。

授業アンケート~マークシート方式からWeb方式へ~

本学では、以前は一部の学部が、マークシート方式にて授業評価アンケートを実施していました。
その頃から教育ソフトウェア様には学部ごと個別にお世話になっておりました。
それらを全学統一で実施することとなり、トライアル実施から数えると2012年度から教育ソフトウェア様と高等教育推進支援室との共同作業が始まりました。

最初の5年間はマークシート方式で実施しました。
ただ、本学の場合、対象科目を絞っても年間で5,000科目以上が対象となり、マークシートの授受管理、配布、回収等に多大な手間と労力がかかっていました。
教育ソフトウェア様におかれても、文字起こしなどの作業が年度末に集中するなど非効率なところがありました。
そこで、双方の作業負担の軽減を目的にアンケートをWeb化することを検討いたしました。

出来れば今まで使ってきた集計システムをそのまま利用したい

Web化をするにあたり、教育ソフトウェア様が開発・販売されている授業アンケート用Webシステムを導入することも相談させていただきましたが、協議の結果、アンケートの単純な回答収集の部分は本学で導入している学習支援システムで行うこととしました。

ただ、アンケート回収後のプロセスについては、マークシートで実施していた時と同じプロセスにすることにしました。
本学の授業評価アンケートは単純な集計結果を提示するだけでなく、その後非常に複雑な統計解析を行った結果票を作成していること、またその結果票では過去の同一科目におけるアンケート結果との経年比較を示すなど複雑なプロセスがあり、そのプロセスはマークシートで実施してきた集計システムをそのまま利用できるよう、調整をお願いしました。

データの連携をどうするのか

いざ試しに収集したデータを既存の集計システムに利用しようとすると、色々な問題が発生することが分かりました。
第一の問題はデータの出力形式が従来のマークシート方式とは全く異なっていることでした。
特に、学習支援システムで集めたデータは、教育ソフトウェアさんから見れば全く別のベンダーのデータなので、それこそ一カラムずつデータの形式の摺り合わせから地道にスタートしました。
履修者数の定義や未実施科目の定義など、今まで意識してこなかった事柄もデータ定義の中で見えてきました。

新しい問題

カリキュラム改訂も大きな問題となりました。
紙のアンケートの場合、授業に参加している学生全員に配布し、封筒に入れたまま教育ソフトウェア様にお渡しし、集計していただいていたので、カリキュラムの問題は大きな問題ではありませんでした。

しかし、システムを利用したアンケートとなると、いわゆる旧カリの学生と新カリの学生は履修システム上別の科目を受講していることになるため、両方の科目をアンケートの対象として取り扱う必要性が出てきました。
教室にいる学生全員が回答できるようにし、同時に、教員や学生への結果開示は合算して取り扱わないといけません。

また、本学では最長4年分の経年比較も行っているため、これも問題となりました。
しかし打ち合わせを重ね、教育ソフトウェアさんがデータ形式やリレーション方法等を毎回、わかりやすい仕様書に書き起こしてくださったので、慎重かつ混乱することなく着実に進めることができ、これらの問題に全て対応することが出来ました。

アウトソーシングサービス導入の効果・ご感想

導入後の効果や感想についてもお話しいただきました。

結果として

Web化によって膨大な紙を削減

トライアル実施に始まり、完全Web切り替えまで、進めていく中で顕在化した問題のため、プログラムを調整していただくなど、ご迷惑もおかけしましたが、おかげさまで授業評価アンケートのWeb化は成功しました。
これにより、アンケートに用いていた膨大な紙を削減できた上、学生への即時表示、欠席者からの回答収集、学生への所見の提示といった、紙の次代には考えられなかったことが、実現しました。

教育ソフトウェアに依頼をして

非常に細かいリクエストまで吸収

非常に柔軟性の高いサービスを提供されている会社であると考えています。

本学の授業評価アンケートは様々な委員会での意見を受けて設計されているので、ベンダー側の設計都合や仕様に合わせるよりも、教育ソフトウェアさんのように本学の設計に合わせたシステムを構築していただく方が合っていました。

教育ソフトウェア様は、都度発生するイレギュラーな事態にも、可能な限り迅速に対応してくださるので非常に助かりました。
また、授業評価アンケート自体の業務にも慣れていらっしゃるので、結果帳票の納品などについても、円滑に実施していただきました。

教育ソフトウェア様のシステムは、クライアントに合わせて全て一から専用で構築すると伺っております。
そのため、非常に細かいリクエストまで吸収していただけるのは嬉しいです。
統計解析については本学の教員とともに、数学的な細かい部分まで直接打ち合わせをしていただきました。

おかげさまで教員からの信頼も高まり、授業評価アンケート以外のアンケートでも広くお世話になっています。
色々と細かいリクエストを出させていただきますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。

弊社担当者よりお客様へ

いつもご愛顧をいただきまして誠にありがとうございます。
今回の授業アンケートWeb化プロジェクトでは、データ処理的に難しい面もありましたが、無事に終了することが出来て安心いたしました。
思えば2004年度からのお付き合いとなり、お仕事を通じて沢山学ぶことがありました。
今後とも御校さまのFD活動が進展しますよう全力でサポートさせていただければと存じます。
引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。