インタビュー日:2011年5月

東洋大学 学長室 室長 さま

東洋大学 学長室 室長 さま

教員の活動を総合評価する4つの柱のうち『教育の評価』が、授業アンケートを利用した取り組みです。 過去5年間、評価が上向き傾向なんです。 しっかりと教育改善がなされている証しとして、たいへん誇りに思っています。

サービス概要

お客様 東洋大学
サービス内容 アンケート用紙作成
読み取り集計
自由意見のデータ化と分析
教員フィードバック用のWebアプリケーション開発

導入の経緯

東洋大学は120余年の歴史の中で、変容していく時代とともに未来へ向けて「新しい共生のかたち」を探求し改革し続けています。

国内外の経済・社会を貫く経済トレンドを見抜き、問題解決に導く「生きた経済」を身につけることを目的とした経済学部は、より良い授業のために2002年よりマークシートを使った授業アンケートをはじめました。

実は、2004年度までは別の会社に業務の委託をしておりましたが、諸事情により2005年度から、教育ソフトさんに集計を含む業務一式をお願いするようになりました。

導入の効果

開始当初

東洋大学経済学部では、2005年度に、「研究の評価」、「教育の評価」、「学内の行政に対する貢献」、「社会貢献」という4つの柱で教員の活動を総合評価する仕組みを確立しました。

4つの柱のうち「教育の評価」の一環として、授業評価アンケートをはじめました。

経済学部は独自に、学生の評価と併せて教員の自己評価を行なっていました。
学生が受けるのと同じアンケートを回答し、例えば板書の文字を見易く書いたとか、分かり易い説明を心がけたかなど、教員自身が授業を振り返って自己評価するのです。

教員が自信を持って5点と自己評価したのに対し、学生の回答の平均が3点、などと差が出ることがあります。
差が1点以上開いた場合は、どう改善していくか、教員がレポートを提出することになっていました。

Web化と自由記述の分析

2007年度からは、授業アンケートの結果をWeb化し、教員が自由に閲覧・分析できるシステムを新たに作っていただきました。
加えて、自由記述の分析も行ない、分析結果をWebで閲覧できるよう依頼させていただきました。

自由記述はそれまでも取っていたのですが、学生から回収した段階ですぐに担当教員の手元に渡ってしまい、何が書かれていたか大学側で把握できないブラックボックスになってしまう問題があったのです。

学生からの貴重な声を活かすため、教育ソフトさんに自由記述の内容を全部データ化し、何について書かれていたかを項目ごとに定量化し、数値で把握できるよう依頼を行ないました。

学生には、良いと思う点、改善してほしい点、その他の意見という、3つの項目に分けて、それぞれ書いて貰っています。
改善要望が多かった意見を年2回、春と秋に開くFDの会合のテーマとし、改善策を話し合います。

学生には、良いと思う点、改善してほしい点、その他の意見という、3つの項目に分けて、それぞれ書いて貰っています。
改善要望が多かった意見を年2回、春と秋に開くFDの会合のテーマとし、改善策を話し合います。

以前は、授業評価アンケートというと、中には批判的な意見も含まれるため、場合によっては教員が素直に受け取ってくれないケースもありました。
教員側にも一理あって、毎回授業に出席して、まじめに取り組んでくれた学生も多いのですが、その時たまたま出席してアンケートに回答する学生も中には居るんですよね。

そこで今後は、学生も記名式で出席状況も書かせた上で、どのように授業に取り組み、授業が目指す到達目標に対し、どのくらい達成できたかに着目するように、改善を予定しています。

職員の作業の大幅軽減、評価が上向き傾向

業務委託をして良かったのは、職員の作業が大幅に軽減された点です。
これだけの量ですが安心してお任せできますし、急ぎ案件への対応も満足しています。

リクエストしたデータをすぐに用意してもらえたり、細かいことまで全部お願いできるので、とても助かっていますよ。

教育改善の効果としても、過去5年間の結果を見てみると、5段階評価のグラフが基本的に全て上のラインにきているんですよ。
評価が上向き傾向なんです。
授業アンケートを通じてしっかりと教育改善がなされている証しとして、たいへん誇りに思っています。

担当からお客様へ

東洋大学経済学部さまとは、2005年度よりお付き合いをさせていただいており、今年で7年目になります。
長年ご愛顧及び、ご指導をいただきまして心より感謝申し上げます。

東洋大学経済学部さまは、他の大学に先駆けてWebシステムや自由記述分析など先駆的な手法を多く取り入れられ、FD活動の水準は全国トップクラスの大学と心より尊敬の念を抱いております。

さらに、2011年度よりは、学生の到達目標に力点をおく評価方法を取り入れられ、益々FD活動が充実してくるものと期待いたします。

現在、経済学部のご担当者さまと新しいアンケートにつきまして、フィードバックの仕方を含め検討を重ねているところです。
より良い内容となるようスタッフ一同尽力させていただく所存です。

この度はインタビューにお答えいただきましてありがとうございます。
改めて御礼申し上げます。